きみは断崖

にんげんがにんげんにするそのことを傷と呼びつつ無傷であつた 

だれからもゆるされてゐるおとうとにばかだといへばさうだとわらふ

おとうとよ なにもかもどうでもよくなつてみるひまわりよ きみは断崖
 

甘い生活

人生に、終止符を、打つ。句読点のように本を書く人がいる。 

視野が(指が)あなたになってアスファルトに残った雪にシャッターを切る

生活のなかで手にとる芸術はあなたの顔をしているだろう

でも恋は罪悪でしょうひとひらを雪ひとひらを手紙にしても

これは夢 夢のかたちの君を抱く日々の名残のながいながい夢

城跡のいくつかに死はきざまれてきざはしに立ち君をおもいだす

十九で道の途切れるともだちの遺すカンバス みな、みな彼岸

君の死とぼくらの堕落とひきかえにひらかれている空中ブランコ

はなびらのカドミウムを陽が濡らす ときにあなたは世界のようだ

きっといつか不幸になってかまわない ぼくをあまさずあげるから、風
 

blue.

ひきうける。私は君がただ君でいればよかったのだ ほんとうに

助手席でねむるのがすき 春がすき 傷つけられてばかりだいつも

みて あれは 春のなごりにとける海きみの名前のセルリアンブルー

風を ときに手紙と間違える レンズに夜が深いばかりに

好きだよが好きだったよに変わるとき大人になんてなりたくなかった

さみしさやさみしくなさじゃなくうしなってはじめて燃える青のはなしを